早いもので4月も半ばを過ぎ、日本中が桜の淡いピンク色に染まったかと思えば、今は新芽の若葉色にバトンタッチ。自然豊かな宮崎は目にも眩しい沢山の色で溢れかえっています。いつの季節だって宮崎は美しいのですが、春は特にその宮崎の自然の美しさの本領発揮!という感じがします。
新年度がスタートしてから、自分達の教室はもちろん、大学の講座など慌ただしく過ごしている毎日ですが、それでも苦痛にならないのはやっぱり好きな事をしているからなのでしょうね。

さて気が付けば、前回、アメリカでの人生初の講師体験について書いてから早くも2か月が経過しておりました。💦 やりっぱなしはダメですね、反省。。。今日はその続編の「海外留学 忘れられない講師経験 Part 2」を書いてみようと思います。

アメリカ大学時代に初めて経験した「海外留学 忘れられない講師経験 Part1」はこちら


勢いと好奇心だけで始めたアメリカ公立小学校でのアート課外授業の講師という仕事。アメリカの子供達に大笑いされた1日目も何とか無事に終わり、そこから日本人のヘッポコ講師と12人の子供達のデコボコチームのアートクラスがスタートしました。笑

子供達は1日目にして私が一体どういう人物なのかを理解して、受け入れてくれたおかげで、相変わらず不完全な英語を完璧に操る私(笑)でしたが、そんな事を気にする子供達は1人もいませんでした。子供って本来そういう生き物なのかもしれません。ブレットと今の教室の子供達のやり取りを見ていてもそう思います。子供達が英語が上手く話せなくても、単語を知らなくても、またブレットがカタコトの日本語を話しても、みんな気にしていません。そんな言葉の壁をひょいひょい乗り越えて体や表情、感情を使ってストレートにコミュニケーションを取ります。いつからなんでしょう、人が言葉の不自由さを障害だと捉えるようになっていくのは。多分「間違えたら恥ずかしい。。。」この感情がコミュニケーションの邪魔をするのかなと思います。子供のうちはこういった感情があまりない代わりに、みんな自由を手にしているように見えます。

さて、その日のアメリカンキッズ12人は長テーブルに座ってそれぞれ思い思いのデザインを描いて色を塗っていました。私は子供達を手伝うためテーブルを巡回していたその時、例の5歳と6歳のちびっ子2人が何か言い争いを始めたかと思うと、次の瞬間、

1人がもう1人を小さな手で平手打ち!(マジか?!←私の心の声)

ペチッという小さな音が聞こえたと同時にたちまち

うぇ~~~~ん!!」と1人が泣き出しました。(うん、そうなるよね。。。←私の心の声)

他の子供達に作業を続けるように伝え、私は2人のいるテーブルの前に行き、一緒に座りました。

私「どうたの?いつも仲良しの2人なのに。何が起きたのか先生に教えてくれる?」

○○「だって、□□がイジワルしてくるんだもん!」とすかさず叩いた○○が興奮で顔を真っ赤にさせて言いました。

私「意地悪?」

○○「私の絵をヘンって言ったり、ヘタって言ったり、私の色鉛筆を取ったりしたの!」

私「□□、○○の絵をヘンって言ったりしたの?」

□□は泣いていたのをピタリとやめ、少しバツの悪そうな顔をしました。

□□「だって〇÷*#&%・・・」ゴニョゴニョ何か言っていましたが、最後は首をゆっくり縦に振りながら「Yeeessss・・・」の返事。

私「そっか。□□、自分が一生懸命描いてる絵をヘタって言われたり、色鉛筆取られたりしたらどんな気持ちになるかな? 先生がもし言われたら、悲しくなっちゃうかな。」

□□「うん・・・」

私「○○、言われて嫌な気持ちになっちゃったんだね。けど、それでも誰かを叩くのは良い事?」

今度は○○がバツの悪そうな顔をしました。

○○「No・・・」とさっきまでの勢いが消え、下向き加減に答えました。

私「そうだね。□□、叩かれてビックリしたし痛かったんだね。今も痛い?大丈夫?」

□□「I’m OK.」

私「そう良かった。じゃあ、2人ともどうしたい?仲直りできる?」

○○&□□「Yes.」
「I’m sorry. 」「Me, too.  I’m sorry.」

そして小さな2人はハグをして仲直り。その瞬間から2人は再びベストフレンドに戻りました。なんとも早い回復力(笑)

時間にして5分くらいでしたが、本当は内心ドキドキでした。
正式な講師経験もバックグラウンドもない当時大学生だった私に、子供達は待ったなしに色々なチャレンジを毎回与えてくれました。他のネイティブの講師がいたら、きっと私はその人に任せて自分は楽をしたに違いありません。けれどそこで頼れるのは自分のみだったし、子供達が頼れるのも私しかいませんでした。自分が伝えたい事をブロークンだろうが何だろうが必死で子供達に伝えたと思います。言葉だけでなく体や表情やアイコンタクト全てを使って。
子供達を通して表現すること、コミュニケーションとはどういう事かを学んだ気がします。

さて、次回はこのシリーズの3回目、最終回を書いてみたいと思います。(出来るだけ早いうちに!)

最終章「海外留学 忘れられない講師経験 Part 3」はこちら